【前鋸筋】肩甲骨の動きや安定性に重要な役割を果たす筋肉

みなさまこんにちは。
TCFITパーソナルトレーナーの千葉です。

今回は「前鋸筋」について詳しくご紹介します。

☑️前鋸筋とは?
☑️前鋸筋ストレッチ4つのメリット
☑️前鋸筋ストレッチ5種目

– 万歳ストレッチ
– クレッセント
– エルボープッシュ
– ダンベルプルオーバー
– 筋膜リリース
☑️まとめ

あまり聞き馴染みのない筋肉ですが、ウルトラに重要な筋肉です。「前鋸筋=ぜんきょきん」と読みます。肩こり、四十肩など不定愁訴においても関連性が高く現代人は硬くなっている方がとても多い筋肉です。

■前鋸筋とは?

スポーツやフィットネス、トレーニングにおいて、前鋸筋を鍛えることは肩関節や肩甲骨の可動域を高め、そして安定させる為にとても重要な役割を果たしています。

球技や水泳など肩を大きくて回すスポーツに必要な筋肉で鍛えることでスポーツパフォーマンスの向上につながります。ランニングなど腕を振り続けるような動作でも常に働いており、股関節との連動性を高めるためにも重要な作用があります。

前鋸筋は、胸郭の前方に位置する筋肉で鋸(のこぎり)のような形状をしており肩甲骨の内縁から第1-9肋骨の外側面に走行しています。

*ヒューマン・アナトミー・アトラス2025より画像引用

前鋸筋の作用

①肩甲骨の外転
▶︎肩甲骨を前に押し出す
②肩甲骨の上方回旋
▶︎肩甲上腕リズム構築(腕と肩甲骨の連動性)
③肩甲骨の安定
▶︎肩甲骨と胸郭の距離を一定に保つ

上記のような働きがあることで、腕を前に挙げたり、肩を回したりなど正常な肩関節、肩甲骨の動作がスムーズに行うことができます。

■前鋸筋をストレッチするメリット

前鋸筋の作用を前項で説明しましたが、鍛える前に固くなっていることが多いのでストレッチが重要です。ストレッチすることによって、大きく4つのメリットが期待できます。

前鋸筋が硬くなり縮こまると「肩甲骨と肋骨が癒着」するようなイメージになります。本来肩甲骨と腕は連動するものですが、肩甲骨を動かさず腕単体でもある程度動けてしまうので、その動きが習慣化して「肩甲上腕関節」に過度な負担がかかってしまいます。

⑴ 姿勢改善
⑵ 上半身の強化
⑶ 呼吸がスムーズになる
⑷ 筋バランスの改善

1つずつ解説します。

⑴ 姿勢改善

前鋸筋をストレッチすることで姿勢の改善・安定が期待できます。
前鋸筋が固まると肩甲骨は前傾してしまい、ポコっと身体から浮き上がりやすくなります。その状態では手を前に上げづらくなり肩こりやひどい場合四十肩などに繋がる可能性があります。猫背姿勢にも直結してしまいます。
「肩甲骨が浮き出ててキレイ」と鎖骨美人の如くそれがキレイと感じてる人もいます。余分な脂肪がなく筋肉質な状態ならよいですが、前鋸筋が弱くなっている可能性もあるので注意が必要です。

⑵ 上半身の強化

前鋸筋は、上半身特に腕の動きを支える筋肉なので、例えばベンチプレスやショルダープレスなどの肩甲骨を安定させて、腕を動かすトレーニングには前鋸筋の働きはウルトラ重要です。

上半身の筋力を発揮するための「縁の下の力持ち」的な作用があるのです。前鋸筋が弱くなるのは、硬くなることで起こりやすいのでストレッチが先決です。

⑶ 呼吸がスムーズになる

前鋸筋は前述したように肋骨に覆い被さるよう付着しており、呼吸を補助する役割も担っています。
息を吸うときは、前鋸筋が収縮して肋骨を上方に引き上げ、胸郭の容積を拡大させます。
息を吐くときには、前鋸筋が緩むことで肋骨が下方に戻り、空気を排出するのを助けます。

直接的に働くわけではありませんが、機能が低下していたり、硬くなっていると呼吸をする妨げになってしまいます。

⑷ 筋バランスの改善

前鋸筋を鍛えることで、上半身の筋肉バランスが改善されます。胸や肩を鍛えるだけではなく、前鋸筋も同じくらい重要な筋肉のひとつです。

前述した「肩甲上腕リズム」をスムーズにすることですが、上腕と肩甲骨は歯車で合っており「上腕が2動く際、肩甲骨は1動く」という連動がありますが、これには前鋸筋の働きが必要不可欠です。

■前鋸筋をストレッチしよう

今回は5種目様々なバリエーションをご紹介します。

⑴ 万歳ストレッチ
⑵ クレッセント
⑶ エルボープッシュ
⑷ ダンベルプルオーバー
⑸ 前鋸筋リリース

1つづつ解説していきます。

⑴ 万歳ストレッチ

▶︎ベーシックなストレッチ種目両手で肩の詰まりが出る方は動画後半で紹介している片手で実施しましょう

❶四つ這いになりベンチや椅子に手を乗せる
❷手のひらが床、または小指が床方向になるようにする
❸肩を入れる意識で身体を床方向に落とし込む
❹変な力みが出ないポジションでとまり伸びてる箇所に呼吸を送るよう意識して数回繰り返す

⑵ クレッセント

▶︎重力と体重を使ったストレッチ種目

❶横向きで膝・股関節を90°程度の楽な姿勢で寝る
❷脇の下から少し腰の方へ下がったところにポールを当てる
❸上半身が前にも後ろにも傾かない状態を作り、上側腕を頭上伸ばして、上側の脇腹を伸ばす
❹毎回の吸う息で肋骨の間にスペースができ、吐く息で元に戻るイメージで呼吸を繰り返す
❺逆側も同様に行う

⑶ エルボープッシュ

▶︎ストレッチだけでなくトレーニング要素もあり

❶プランクポジションをとる
❷肩甲骨を寄せるように身体を落とす
❸肘で床を押して肩甲骨を開くように挙げる
❹10-15×3セット実施する

⑷ ダンベルプルオーバー

▶︎器具が必要ですが効果的なストレッチ&トレーニング種目

❶ベンチに仰向けになりダンベルを両手で持ち胸の前に構える
❷肘を軽く曲げてやや脇を締め万歳をするように頭側に降ろしていく
❸軽く曲げた肘を保ちながら元の位置へ戻す
❹15-20回×3セット実施する

⑸ 前鋸筋リリース

▶︎直接の筋肉に圧を加えて緩めるリリース種目

❶横向きになりストレッチポールを前鋸筋にあてる
❷足、手を使いポールを転がすようにリリース
❸フォームローラーでは固すぎるのでおすすめはストレッチポールMX
❹痛みや違和感が薄くなるまで繰り返す
❺逆も同様に行う

■まとめ

今回は「前鋸筋」についてまとめていきました。
トレーニングの質を高める、スポーツのパフォーマンスを高める以外にも、姿勢の改善、猫背改善、肩凝り予防改善、バストアップなど色々な効果のある前鋸筋。

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プライベートジムTCFIT
代表トレーナー 千葉拓郎

ダイエットや追い込むだけのパーソナルトレーニングだけではなくストレッチや筋膜リリース、コーディネーションなど姿勢改善にも力を入れています。
身体の本質から整えて目的の身体作りをサポートします。
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